こんにちは、しゅんさんぽ(@shunsanpo)です。
少しずつですが自粛も緩和され、ようやく写真を撮りに出かけられるようになってきました。そろそろ新しいカメラでも欲しいなと思っていたところ、またまた友人からカメラを譲り受けました。
そのカメラというのが、今回ご紹介するキヤノンの「Canonet(キヤノネット)」というフィルムカメラです。
フィルムの入れ方から撮影方法、そしてどんな写真が撮れるのか、使い心地はどうなのかなど、ご紹介していきたいと思います。
目次
「Canonet」スペック
発売日 | 1961年1月 |
レンズ | SE45mm F1.9 |
ISO感度 | ISO10~ISO200 |
絞り | F1.9~F16・A(オート) |
シャッタースピード | 1秒~1/500秒 |
ファインダー | 二重像合致式 |
露出調整 | シャッタースピード優先式EE・マニュアル露出 |
1961年発売。今から60年前のカメラと思うとすごいですね。
F値はF1.9と明るいレンズが採用されています。ISO上限が200と低めですが、ある程度はF値でカバーできそうです。
シャッタースピードが最速1/500秒のため、日中は絞って撮ることが多くなるかと思います。ぼけを活かした表現はあまり期待しない方が良さそうです。
特徴
操作系はボディ下に集約
巻き上げレバーや巻き戻しクランクなどの操作系は、一般的にカメラ上部に位置することが多いですが、このカメラではそれらがボディ下に集約されています。
そのため、上部の見た目がすっきりしていてかっこいいです。
頑丈なボディ
キヤノンが出した初めての大衆向けカメラ(当時約2万円)ですが、作りはかなりしっかりしています。安っぽさはまったくなく、ずっしりと金属の重さを感じます。
多少ぶつけたりしたぐらいでは、まず壊れることはないでしょう。むしろぶつけられた方が壊れると思います。そのぐらい頑丈で、安心感はあります。
ですが、正直重たすぎる。グリップがない分、一眼レフよりも重さを感じると思います。
シャッタースピード優先式EE搭載
マニュアル露出もできますが、基本的にはシャッタースピード優先で使用することをおすすめします。
シャッタースピード優先とは、シャッタースピードさえ自分で決めてしまえば、あとはちょうどいい明るさになるようにカメラが自動で絞りを調整してくれる機能です。
これは楽チン。
フィルムの装填方法
まずは裏蓋を開けます。ボディ裏側の小さなツマミを倒した状態で、その横のボタンを押すことで開きます。
巻き戻しクランクを上げます。
フィルムを入れて、先端を少し引っ張り出します。
スプールの溝にフィルムの先端を差し込みます。
フィルムの上下の穴(スプロケット)に、カメラの小さな爪が引っかかっていることを確認します。これが噛み合っていないと上手く巻き上げられません。
巻き上げレバーを2回ほど動かして、フィルムが外れないようしっかり巻きつけていきます。巻けたことを確認して、裏蓋を閉めます。
巻き戻しクランクを回して、フィルムのたるみを取ります。ちゃんと装填出来ていれば、ある程度回したところで止まります。いつまでも回り続ける場合、フィルムが外れてしまっている、もしくは切れてしまっている可能性があります。
枚数カウンターが0になるまで、2回ほど空シャッターを切ります。
これでフィルム装填は完了です。
使い方・撮影方法
ISO・絞り・SSの表示場所および設定方法
ISO感度:ASAと書かれた窓内(写真では100)。レンズ下部レバーを動かして変更。
絞り:レンズ真ん中(写真ではAUTO)。数字を回して変更。
シャッタースピード:レンズ先端(写真では500)。数字を回して変更。
撮影方法
ISO感度を装填したフィルムに合わせ、絞りを「AUTO」にすることで、シャッタースピード優先EEにすることができます。好きなシャッタースピードに合わせれば、露出調整は完了です。
続いてピント合わせ。ピント調整は二重像合致式ですので、レンズ下についているツマミを動かして、ファインダー内に映る像が2つ重なるところに合わせてピントを合わせます(かなり見辛いです)。
あとはシャッターを押すだけ。
簡単じゃないか。
「Canonet」作例
モルト交換、レンズ清掃(分解はしていません)はしましたが、友人の実家で長年眠っていたこともあり状態はあまり良くありません。
作例として載せておきますが、本来の写りとは違うかもしれませんので、その点はご了承ください。
使用したフィルムは「業務用100」です。
ファインダーが見やすいとはお世辞にも言えず、ピント合わせは難しいです。
肝心の写りですが、60年前のカメラだなあと言う感じはしますが、60年前のカメラでこれだけ写れば十分なのではないでしょうか。
まとめ
正直に言ってしまうと、これから積極的に使うことはあまりないかなと思います。残念ながら。
なにより気になるのがその重量。軟弱な現代人としては、コンパクトフィルムはもう少し気軽に持ち出せる重量を望んでしまいます。
最後に、特徴をまとめるとこんな感じ。
- 高級カメラを作っていたキヤノン初の大衆向けカメラ
- シャッタースピード優先搭載で簡単に撮影できる
- 二重像が見辛い
- シャッタースピード最速1/500秒、絞りが最大F16なので、露出オーバーを起こしやすい
- デザインはクラシカルで可愛い
- めちゃくちゃ重い
- グリップがないので持ちにくい
なかなか辛辣なまとめをしてしまいましたが、状態の良いものだとまた違う評価になるのかもしれません。オーバーホール済みなど整備されたものはどんな写りになるのでしょう。気になります。