こんにちは、しゅんさんぽ(@shunsanpo)です。
2020年6月、久しぶりに新しいカメラを迎え入れました。
やってきたのは、オリンパスのハーフサイズカメラ「OLYMPUS PEN FT(ペンエフティー)」。
マイペースに数ヶ月使ってみましたので、特徴や使い方を含めてレビューしてみたいと思います。
目次
「OLYMPUS PEN FT」外観
これぞOLYMPUS、これぞPEN。
ちなみに付けているレンズは「F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8」です。これがまたコンパクトで良い。女性に人気なのも納得の可愛らしさです。
「OLYMPUS PEN FT」特徴
一つのデータに2枚の写真が記録される
ハーフカメラとはその名の通り、35mmフィルムの一コマを半分にして撮影するカメラです。一つのデータに2枚の写真が記録されるため、単純に2倍の量を撮影することができます。
また、一コマを半分にして撮影するため、通常通り横向きにカメラを構えて撮影した場合、縦写真となるのが特徴です。スマホで写真を共有、鑑賞することが多くなった今では縦写真の方がむしろスタンダードなのかもしれません。
現像から返ってきたデータは一コマに2枚が記録されていますが、あとからトリミングすれば1枚ずつの写真にすることもできます。
組写真を楽しめる
2枚の写真が並ぶことで、単体で見るのとはまた違った見え方となります。いわゆる組写真と呼ばれるものです。
まったく無関係な2枚であれば、トリミングをしてそれぞれ別写真として楽しむべきかなと思いますが、せっかくハーフカメラを使うならば組写真に挑戦してみるのも面白いと思います。
何が正解というわけではありません。自分なりに意味を考えながら楽しむのが一番です。
個人的にはカメラを縦にして撮影し、横構図にして2枚並べた組写真が好きです。
コマ送りの関係上、2枚並べるつもりで撮ったのに分かれてしまったり、一コマに縦構図と横構図が混ざってしまうことがあります。「あぁ…」とちょっぴり残念な気持ちになりますが、あまり気にしないでおきましょう。
コスパが良い
フィルム代の値上がりが止まらない今、コスト面も重要な問題です。
先ほど紹介した通り、ハーフカメラは一コマに2枚の写真を記録することができます。つまり、36枚撮り用のフィルムであれば、その2倍の72枚撮影可能なのです。
コスパがすべてではありませんが、倍撮れると思うと自然とシャッターも軽くなるはずです。
ただし、実は72枚撮り切るのは意外と大変。
残枚数がたくさん残った状態で、途中で違うフィルムを使いたくなった時には嬉しさと絶望が入り混じったなんとも言えない気持ちになります。
対策としては、24枚撮りフィルムを使うことです。ハーフカメラなのでその倍の48枚となり、72枚よりはまだ使いやすいのかなと思います。
とは言いつつ、私はケチなので36枚撮り用ばかり使ってしまいますが。
軽量でコンパクト
ハーフカメラなので、フルサイズ一眼レフカメラよりも小型・軽量です。女性の手にも馴染みやすいサイズかなと思います。
逆に男性が持つと指が余り、ホールド感はあまり良くない印象です。
構えるとこんな感じ。顔が大きいのか、カメラが小さいのか。
ファインダーが暗い
ここまで魅力ばかり語ってきましたが、もちろん弱点がないわけではありません。
その弱点というのがファインダーの暗さです。
FTは露出計も内蔵しており、初心者でも使いやすいカメラだと思います。
ただ、少し暗い場所に行くとファインダー内の露出計はほぼ見えません。露出計どこいった?!というレベルで見えません。
FTといえば露出計の壊れやすさに定評がある(?)カメラでもあるので、そもそも露出計がないものと割り切れれば良いかもしれませんが、私のような露出感のない人にとっては露出計は必須です。
一度実際に覗いてみて、どのぐらい暗いのか確認した上で購入することをおすすめします。
「OLYMPUS PEN FT」使い方
シンプルな構造のカメラなので、フィルムを入れて露出(明るさ)とピントを合わせれば撮れます。
フィルムの装填方法はこちらを参考にしてみてください。
▷ 一眼レフカメラ(手動巻き)のフィルムの入れ方【写真で解説】
ピントはピントリングを回すだけなので説明は割愛しますが、露出調整は少し他のカメラと違う部分がありますので、簡単に説明していきたいと思います。
露出の合わせ方
まずはシャッタースピードダイヤル(カメラ右側の丸い部分)を回し、任意の数値に合わせます。
ファインダーを覗いて、左側に表示されているのが露出計です。この写真では「3」を指しています。
もし針が0から動かないようであれば、針が動くところまでシャッタースピードの数字を小さくしてみましょう。また、7まで振り切ってしまっている場合は、シャッタースピードの数字を大きくしてみるとちょうど良い露出にしやすくなります。
先ほど露出計に表示された数字(今回の写真では「3」)と、レンズの先端に書かれた数字を合わせれば適正露出となります。
ちなみにレンズの裏を見れば実際の絞り値を見ることができます。使い込んでいけば「0=F1.8、1=F2、2=F2.8、、、」と覚えられるのでしょうか。
その当時は誰にでも使いやすくわかりやすいようにという配慮だったと思いますが、正直普通に絞りを書いてくれた方がわかりやすいですね。
「OLYMPUS PEN FT」作例紹介
ハーフカメラは通常のフィルムを2分割して使うため、どうしても画質は荒くなると言われています。
こちらの作例は、現像所から返ってきた一コマ2枚のデータを、自分で1枚ずつにトリミングしているため、より画質が荒くなっているかもしれません。もしトリミングを前提とするならば、現像所に出すときに高画質で注文した方が良いかと思います。
まとめ
良いところ
- 2倍撮れてコスパが良い
- 組写真を楽しめる
- 軽量でコンパクト
- かわいい
もうひとつなところ
- ファインダーが暗い
- 視度調整は不可
- グリップ感はイマイチ
- 露出計が壊れやすい(精度もあまり良くない気がする)
基本情報・スペック
型式 | ハーフサイズフィルム一眼レフカメラ |
発売期間 | 1966年 |
実勢価格 | 10,000円~15,000円(ボディのみ) |
大きさ | 127×69.5×32mm |
重量 | 600g(38mmF1.8含む) |
電池 | MR-9水銀電池 |
レンズマウント | PEN Fマウント |
ファインダー視野率 | 0.79倍 |
測光方式 | TTL露出計 |
フィルム感度範囲 | ISO25〜400 |
シャッタースピード | 1〜1/500秒、バルブ |
セルフタイマー | あり |
多重露光 | なし |