こんにちは、しゅんさんぽ(@shunsanpo)です。
「OLYMPUS TRIP35(オリンパス トリップ35)」というフィルムカメラを友人から譲り受けました。
手に入れた(・∀・) pic.twitter.com/8QcUUASzRg
— しゅんさんぽ (@shunsanpo) 2018年5月6日
中古のフィルムカメラで必ず確認しないといけないこと、それはモルトの状態です。
モルトってなに?やっぱりフィルムはむずかしいと思われたかもしれません。
でも安心してください。フィルム歴半年にも満たない私がモルトについて語り、さらには交換までしてしまえるぐらいなので、覚えてしまえば非常に簡単です。
というわけで、モルトとはなにか、モルトの交換方法についてご紹介していきます。
「モルト」とは
フィルムカメラの裏蓋を開けると、蓋の裏側や蓋の溝に黒いスポンジのようなものが貼り付けられています。これがモルトプレーン(いわゆるモルト)です。
役割としては、隙間から入ってくる光を遮断することと、衝撃を吸収する緩衝材となることです。隙間から光が入ってしまうとフィルムが感光してしまうため、せっかく撮影した写真がすべて台無しになってしまいます。そのぐらいモルトは重要な役割を担っています。
しかし、そんな重要なパーツでありながら、非常に劣化しやすいという残念な特徴があります。加水分解により劣化してしまい、長期間放置されたモルトはぼろぼろと剥がれたり、パサパサになり本来の役割を果たせなくなってしまうのです。
「OLYMPUS TRIP35」のモルト交換をしてみた
今回譲り受けたOLYMPUS TRIP35も例外ではなく、モルトが劣化してしまっていました。このままでは使えませんでしたので、モルト交換を自分でやってみました。
業者に依頼すると数千円はかかってしまいます。もちろん安心感はありますが、これからフィルムカメラで遊ぼうと思われている方は、そのたび業者に頼んでいると費用もそれなりにかかってきてしまいます。
自分で交換した方が安く済みますし、自分の経験値にもなります。なにより自分でメンテナンスしたカメラは愛着も増すので、ぜひ挑戦してみてください。
用意するもの
- モルト
- 無水エタノール
- 綿棒
用意するものは、たったのこれだけです。
綿棒は家にあったので、購入したのはモルトと無水エタノール、この2点だけです。
通常モルト交換は、カメラのサイズに合わせてモルトをカッターナイフで切る必要があります。これが一番大変な作業で、難しいところでした。
そこでおすすめするのが、今回購入した「OLYMPUS TRIP35用モルト貼り替えキット」です。なんと、一番大変な作業であるカットをする必要がない「魔法のキット」だったのです。
パッケージを開けるとこんな感じ。パーツごとに綺麗にカットされたものが3セット入っています。3回までは失敗できる安心感が嬉しい。竹串も一本付属しています。
こちらがモルト側です。触ってみた感じは材質などもまったく問題なさそうです。
モルト交換の手順
まずは劣化してぼろぼろになった古いモルトを剥がしていきます。
少しわかりにくいですが、スポンジ部分はすでに剥がれ落ちており、糊とモルトの粉が付着してしまっています。こうなってしまうと簡単には落ちません。
ここで無水エタノールをつけた綿棒の出番です。
ひたすら磨きます。すぐに綿棒が真っ黒になってしまうかと思いますが、どんどん新しいものに変えてひたすら擦りましょう。
無水エタノールを推奨した理由は、非常に揮発性が高いためです。水が含まれていないためすぐに乾きます。デジタルカメラではないと言え、カメラが濡れてしまうのは心中穏やかではありません。また、洗浄能力が高いのも特徴です。
貼り替えキットに付属されている竹串も使って、汚れをきれいに落としていきます。汚れが残っているとうまく貼れませんので、地道な作業ですがしっかり行いましょう。
汚れが落とせたらいよいよモルトの貼り付けです。シールになっているので、台紙をめくって貼っていくだけです。
ここでワンポイント。水やエタノールでシールを濡らすと、シールの粘着力を一時的に弱めることができるので貼りやすくなります。これをやるのとやらないので仕上がりが大きく違ってきます。
この細い部分は特に慎重に作業しましょう。カーブもあるため少し難易度は高いですが、シールを水で濡らして丁寧に貼っていけば問題ないと思います。不器用な私でもできました。
またこのカーブを見て、貼り替えキットのありがたみを最大限に感じました。この形をカッターで切るなんて何時間頑張ってもできる気がしませんでした。製造メーカーに感謝です。
あとは丁寧に貼り付けていけば完成です。綺麗に貼り替えることができました。
まとめ
いかがだったでしょうか。パーツがカット済みというだけで、こんなにも簡単になるものかと感動してしまいました。実際の作業も一時間以内で完了しましたし、カットしたもののサイズが合わないといったストレスもありませんので、貼り替えキットを使わない理由はないと思います。
注意点としては、汚れはしっかり落とす、焦らない、シールは濡らしてとにかく丁寧に貼り付けるなど、とにかく妥協しないこと。これに尽きます。
しっかりメンテナンスされた「OLYMPUS TRIP35」を持って、どうか素晴らしいフォトライフを。
「OLYMPUS TRIP35」の使用方法や作例などのレビューもしていますので、こちらも合わせてどうぞ。