「写ルンです」の使い方を徹底解説。種類、撮影方法、フィルム現像の注意点について

こんにちは、しゅんさんぽ(@shunsanpo)です。

今回は、富士フイルム「写ルンです」をご紹介したいと思います。

今さら言うまでもありませんが、使い捨てフィルムカメラ(正しくはレンズ付きフィルム)として不動の地位を築いている超ロングセラー商品です。発売から30年以上が経ちますが、インスタグラムなどの影響もあり、今また注目を集めています。

しかしブームとなっているのはごく一部のようで、最近では「写ルンです」を使ったことのない若い人が増えているそうです。誰でも簡単に使えることが売りでもあったのですが、使い方がわからない、現像ってなに?といった声を聞くと、巷でよく言われるフィルム離れを身近に感じます。

これから写ルンですデビューをする人を少しでも応援できるよう、使い方からおすすめポイントまで徹底解説していきたいと思います。

「写ルンです」には2種類がある

全盛期にはさまざまな種類が発売されていた写ルンです。例えばISO1600の高感度タイプ、撮影枚数が39枚のタイプ、夜景撮りに特化したタイプなど、バリエーションも豊かでした。

しかし冒頭でもお話した通り、フィルム離れなどの影響もあり、現在ではわずか2種類となっています。では、一つずつ見ていきます。

写ルンです シンプルエース

こちらがスタンダードタイプです。操作はとにかくシャッターを切るだけで、気軽にフィルム写真を楽しむことができます。ピント合わせの必要もなく、全体にピントが合うようになっています。

そして重さがたったの90g。いつもの荷物にプラスアルファしても苦にならない重さです。しかも見た目もかわいいんですよね。女性にも人気なのがよくわかります。

少しだけスペックの話をすると、焦点距離32mm、F10固定の広角レンズを搭載。シャッタースピードは1/140秒固定、フィルムはISO400です。

つまり、明るい場所での撮影は問題ありませんが、室内や夕方など薄暗い場面では真っ暗な写真になってしまいます。気持ち早めからフラッシュを使うことをおすすめします。

水に強い写ルンです

【2019年12月 生産終了予定】

その名の通り、防水タイプの写ルンです。シャッターを切るだけの簡単操作に加えて、水深10mで耐えられるタフネスモデルですので、水中写真はもちろん、ほこりの多い工事現場や雪の中でも撮影することができます。

こちらもスペックを紹介すると、焦点距離32mm、F10固定はシンプルエースと同じですが、シャッタースピードは1/125固定、フィルムはISO800となっています。簡単に言うとシンプルエースよりも暗い場所での撮影に強くなります。

こちらの商品、実はまだ使ったことがありません。生産が終わってしまうまでに一度は試してみようと思っています。

「写ルンです」の使い方・注意点

ここからは「写ルンです」の使い方、注意点などについて書いていきます。

操作説明としてここに出てくる写真は、すでに販売終了している39枚撮りタイプです。しかし現行品も操作はまったく同じです。

「写ルンです」の使い方

写ルンですフィルム巻き上げ

まずはフィルムを巻き上げます。

構えてシャッターを切る

続いて、ファインダーを覗いて撮りたいものに向けてシャッターを切ります。

以上です。

使い方は本当にこれだけです。こんなに簡単なのに、本体の裏面にも丁寧に使い方が書かれています。なんて優しいカメラ。

撮影時のポイント、注意点

操作自体は非常にシンプルで簡単でしたが、撮影時のポイント、注意点もいくつかあります。

フラッシュは早めの点灯を

何度も繰り返しになりますが、おそらく皆さんが思ってる以上に暗さには弱いです。人の目では十分見えている場面でも、撮影した写真を現像してみると真っ暗だったということはよくあります。そうならないためにも、フラッシュは早めの点灯をおすすめします。

フラッシュON

フラッシュをONにするには、前面についているスイッチを上にあげるだけ。このように赤く光ったライトがぴょこんと出ている状態がONです。あとはシャッターを切ればフラッシュが光ります。

フラッシュが届く距離は1m~3mです。3mより遠くのものはフラッシュを焚いても写りません。

指が入らないように

写ルンですのコンパクトさゆえに、撮影した写真を見ると自分の指が写っていた、ということがよく起こります。レンズに指が入っていたら普通気付くだろうと思われるかもしれませんが、これが意外と気付かないのです。

なぜかというと、ファインダーは素通しになっており、レンズを通して像を見ているわけではありませんつまり、レンズに指がかかっていても、もっというとレンズを隠してしまっても、ファインダーの前さえ空いていれば問題なく見ることができてしまうのです。

マスキングテープでレンズを隠す

わかりやすいように、マスキングテープでレンズを隠してみました。この状態でファインダーを覗いてみます。

ファインダーをのぞく

ファインダーは問題なく見えていますね。ということで、指がかかっていても気付かないわけです。

慣れるまでは、撮影するときにレンズを隠してしまっていないか注意する必要があります。

被写体との距離を詰めすぎない

写ルンですは、ピント合わせの必要がないと言いました。実はそれでも、ピンぼけの写真になってしまうことがあります。それは、被写体との距離が近すぎた場合です。

写ルンですの最短撮影距離は1mです。つまり、1mよりも近くのものにはピントを合わせることができないため、ぼけたため写真になってしまいます。小さなものを大きく撮りたいと思っても、必ず1mは距離を空けるようにしましょう。

写ルンですを構えるうさまる
被写体までの距離は30cmほどしかありません。これでは間違いなくピントは合いません。

「写ルンです」の撮影が終わったら現像へ

フィルムカウンターが0になり、巻上レバーをいくら巻いても回り続ける状態になったら、すべてのフィルムを撮り切った合図です。

しかし撮影を終えただけでは、まだ写真を見ることはできません。フィルム写真を完成させるための工程が、「現像」です。

「写ルンです」の現像の出し方

写ルンですは、カメラからフィルムを取り出す必要はありません。撮影を終えた写ルンですをそのままカメラ屋へ持っていきましょう。どう間違えても無理やりフィルムを取り出したりしないでください。せっかく撮った写真がすべて水の泡になってしまいます。

受付カウンターで写ルンですを渡せば、あとは現像が終わるのを待つだけです。早いところだと1時間以内で仕上げてもらえます。値段は1台あたり1,000円~1,500円ほどが相場かと思います。

現像に出す場所ですが、色味や仕上がりにそこまでこだわりがなければ、カメラのキタムラやヨドバシカメラなどの量販店が早くて安くておすすめです。

近くにカメラ屋がない場合は、ネットの郵送サービスもありですね。

現像に出すときの注意点

現像に出すときの注意点が一つだけ。

フィルムを現像に出すときに「現像のみ」を選択してしまうと、このような現像済みネガフィルムだけを返却されてしまいます。

ネガフィルム

これでは何が写っているのかさえはっきりわかりません。ちゃんとしたカラー写真を見るためにも、「データ化」をしてもらう必要があります。

おそらく受付時に店員さんから「プリントやデータ化はどうしますか?」と聞かれると思います。もし聞かれなかったら「データ化もお願いします」と忘れずに伝えましょう。データの受け渡し方法は、スマホ転送、もしくはCD焼き付けのどちらかが一般的です。

すぐに写真を見たい、SNSなどにもすぐにアップしたいという方は「スマホ転送」がおすすめです。ネットにつながる環境であれば、現像が完了次第すぐに写真を見ることができます。ただし、ダウンロードに時間がかかったり、一枚ずつウェブ上から選択しないといけないなど、多少のデメリットはあるようです。

すぐに見る必要はない、パソコンでの作業がメインという方は「CD焼き付け」がいいかと思います。データをCDに焼いてもらって、パソコンから取りこむ方法です。一括で選択してまとめてダウンロードできるので、手間はほとんどかかりません。私はいつもこれにしています。

さいごに

昔使っていた人も、まだ使ったことのない人も、ぜひ一本撮り切ってみてください。きっと新しい発見や面白さに気付くはずです。

フィルム市場は縮小傾向にあり、このままでは写ルンです自体もなくならない保証はありません。楽しめるうちに、撮りたいものがたくさんあるうちに、これからも使いまくりたいと思います。

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