こんにちは、しゅんさんぽ(@shunsanpo)です。
今年1月、SONYからFUJIFILMへマウント替えをし、1本目のレンズをどれにしようか悩んでいるという記事を書きました。
▷ 「FUJIFILM X-Pro2」のベストレンズを求めて。4種類のレンズを試してみた【作例あり】
そして結局最初に買ったレンズはというと、上の記事では名前すら一度も出てきていない「XF23mmF1.4 R」を選びました。
今回はその「XF23mmF1.4 R」を半年以上使ってみた感想、特徴、作例などをまとめてレビューしてみたいと思います。
目次
「XF23mmF1.4 R」スペック・特徴
スペック
- 定価:124,000円
- 発売日:2013年10月12日
- 焦点距離:23mm(35mm換算:35mm相当)
- レンズ構成:8群 11枚
- 絞り羽根枚数:7枚(円形絞り)
- 最小絞り:F16
- 最短撮影距離:0.28m
- 最大撮影倍率:0.1倍
- 大きさ:φ72mm×63mm
- 重量:約300g
- フィルター径:62mm
大口径F1.4でありながら、わずか300gという小型軽量を実現したレンズ。
広角レンズでありながらもボケを活かした表現が可能で、X-Pro2に装着した時のバランスも良く、見た目からも所有欲を満たされる一本です。
特徴
やはり魅力はF1.4の明るさではないでしょうか。
開放で撮ればそれなりに大きくぼかすことができます。開放付近でもしっかり解像しており、輪郭がぼやけたり滲んだりはあまりしない印象です。
そしてそれだけの性能を持ちながらも、小型軽量でどこにでも持ち出しやすいというのが最大の特徴かなと思います。
このレンズを選んだ理由
23mm(35mm換算:35mm)という画角が、日常を切り取るにはちょうど良いかなと思ったからです。
一般的に換算50mmが標準レンズと呼ばれますが、日常の中で使うには意外と窮屈に感じる場面もあります。例えば、机の向かい側の人を撮るには近すぎたり、テーブルフォトを撮るときにすべてが収まらなかったり。
そうした理由から普段から付けっ放しで日常を切り取りやすい画角である23mm(換算35mm)を選びました。
ちなみに、FUJIFILMには同じ画角に「XF23mmF2 R」というレンズがあります。
どうしてF1.4の方にしたかというと、F2の方の評判があまり良くなかったことと、暗いよりは明るい方がいいだろうという、大は小を兼ねる理論で決めました。結構適当ですね。
「XF23mmF1.4 R」作例
では、ここからは作例をご紹介していきます。
Lightroomで現像していますが、基本的には明るさの補正、ホワイトバランスの調整がメインです。それほど大胆な補正は行っていませんので、レンズの特徴を感じ取っていただけるかなと思います。
風景
同じ日に撮った3枚ですが、空の移り変わる様子を見事に描き出してくれました。
風景を撮るとき、超広角だと広すぎる、標準だと収まりきらない、その間を埋めてくれるのがこのレンズ。歪むことも窮屈感もなく、見ていて違和感のない画角です。
春の光はふんわりと、初夏の光はパキっと。見た景色を忠実に再現してくれます。
ポートレート
広角でのポートレートは、一歩引いて周りの風景を活かすのも良いですね。
とは言っても、気付けば距離を詰めてしまっているんですけどね。
これはセンサーのおかげかもしれませんが、FUJIFILMのレンズは肌の発色がとても良く、透き通るような質感はポートレートにも最適です。
逆光撮影もしてみました。フレアやゴーストは多少出ますが、被写体を邪魔するほどではありません。ふんわりしすぎることもなく、高い描写力は逆光でも健在です。
スナップ
小型軽量のレンズは、スナップでも大活躍。当たり前ですが、持ち出さないことには写真は撮れません。いつでもどこでも持ち出せるサイズ感はありがたいですね。
ついついハイキーにしがちですが、シャドウの締まったアンダーな描写も好みです。
緑の階調も豊かに出ています。技術的なことはわかりませんが、富士フイルムの色表現、深みのあるシャドウは癖になりますね。
テーブルフォト
最短撮影距離が28cmですので、どちらかと言えばあまり寄れないレンズです。実際に使ってみても、たしかにもう一歩寄りたいと思う場面はありました。
しかし、できないものをどうこう言っても仕方がありません。このレンズで接写は諦めましょう。
室内
換算35mmということで広角レンズ(もしくは準広角)ではありますが、室内全体を写せるほどは広くありません。これで内観写真を撮ろうとしている人はちょっと無理があるので要注意です。
室内ではF1.4の明るさが大活躍。光の届きにくいシチュエーションでもシャッタースピードを稼げるので安心です。
まとめ
XF23mmF1.4 Rのいいところ
- F1.4の大口径レンズ
- 大口径にしては小型軽量
- X-Pro2とのバランスが良い
- 積極的に開放から使える描写力
- 日常使いには最適な画角
やはりF1.4の大口径が最大の魅力で、それを活かした暗所での撮影、ボケを活かした表現など、性能の高さがこのレンズのメリットです。
APS-Cのレンズ全体にも言えますが、高性能でありながらも小型軽量を実現しているのもかなり嬉しいポイント。
換算35mmという画角も日常の中では使いやすく、基本はこのレンズを付けっ放しにしています。
XF23mmF1.4 Rのもうひとつなところ
- 絞り環が緩い(個体差かも)
- AF・MF切り替えのクラッチ機構が慣れるまでわかりにくい
- 値段が高い
- 防塵防滴ではない
- オートフォーカスが速くはない
- あまり寄れない(最短撮影距離28cm)
このレンズは、フォーカスリングを前後に動かすことでAFとMFを切り替えるクラッチ機構を採用しているのですが、今がAFになっているのかMFになっているのか迷うことがあります。
慣れと言われてしまえばそれまでですが、今まで使ってきた他のレンズにはない機能でしたので、いまだにしっくりきていない状態です。
また、絞り環がやや緩く、気付けば絞りが変わってしまっていることがあります。
撮影時に余計なことに気を遣わないといけないのはストレスになりかねません。決して安くはないレンズですので、このような細かい部分にもこだわってほしかったなと思います。
とは言え、使いやすいレンズであることは間違いありません。
FUJIFILMユーザーにはぜひ付けっ放しレンズとしておすすめしたい1本です。