こんにちは、しゅんさんぽ(@shunsanpo)です。
今回ご紹介するのは、「Canon AV-1」というフィルムカメラです。
国内においてはシャッタースピード優先が一般的だった時代に、絞り優先専用機として登場しました。
シャッタースピード優先にこだわっていた(?)Canonが絞り優先専用機を出したということで、当時世間を驚かせ注目を集めたようです。
そんなカメラを使ってみましたので、特徴や作例をまとめておきたいと思います。
外観
ぱっと見た感じはオーソドックスな一眼レフカメラですね。全体的にぽてっとしていてかわいい。
スペック
基本スペックです。ここではポイントのみ取り上げています。
発売年月 | 1979年5月 |
発売時価格 | 57,000円(NewFD50mmF2付き) |
実勢価格 | 1,000〜5,000円 |
大きさ | 139×85×48mm |
重量 | 約490g(ボディのみ) |
電池 | 4LR44×1個 |
レンズマウント | FDマウント |
ファインダー視野率 | 上下92%、左右93% |
ファインダー内表示 | 距離計、露出計指針、シャッタースピード |
測光方式 | TTL開放絞り優先式AE(中央部重点平均測光) |
フィルム感度範囲 | ISO25~ISO1600 |
シャッタースピード | 2秒~1/1000秒、バルブ |
セルフタイマー | 〇(LED点滅作動表示) |
約40年以上前に発売されたカメラですが、自動露出を備えていたり、1/1000秒までシャッターが切れたりと申し分ない性能。
ヤフオクだと1,000円〜5,000円で取引されていることが多く、気軽に試しやすいのも魅力ですね。
このカメラは電池(4LR44)がないとシャッターすら切ることができませんが、現在もカメラ屋などで入手可能ですので、そのあたりも安心です。
特徴
シャッタースピードダイヤルが面白い
AV-1には、通常の一眼レフカメラには付いているはずのあるものが付いていません。軍幹部右側、なにか足りないと思いませんか?
1/250や1/1000などと書かれたシャッタースピード選択ダイヤルが付いていないのです。ダイヤル部分には、オート(A)とバルブ(B)とストロボ(60)とセルフタイマーがあるのみ。
これぞ真の絞り優先専用カメラ。シャッタースピードのことは気にするな、私に任せろという強い意志を感じます。
露出計が壊れると致命的
絞り優先専用機ということで、シャッタースピードは基本オートのみです。シャッタースピードを自分で選ぶことはできません(ストロボモードにすることで1/60秒は使用可能)。
そのため露出計が壊れて反応しなくなってしまうと、絞り開放で光をたくさん取り込んだところで、真っ暗で光量が足りないとカメラが判断してしまい、シャッタースピードは超低速(2秒)になってしまいます。
その結果、必要以上の光を取り込んでしまい露出オーバーを量産する、シャッタースピードが遅すぎることで手振れ写真を量産してしまうということが起こります。
というか、実際に起こりました。
いくら絞り優先に特化したとしても、やはりシャッタースピードは手動でも選択できるようにしておいてほしいなと感じました。
中古で買うときは、露出計が正常に動いているか確かめておく必要があります。
レンズが豊富
AV-1のFDマウント(New FDマウント)には、安価で高性能なレンズが数多くあります。
例えば、標準レンズ「FD 50mm F1.4 S.S.C」が3,000円〜5,000円ほど、「NewFD 85mm F1.2 L」など高性能なLレンズでも6万円ほどで購入が可能です。
フィルムカメラで超広角や望遠レンズを使ってみるのも面白そうですね。
使い方
フィルム装填方法
まずはフィルムを装填します。フィルムの入れ方はこちらで詳しく解説しています。
▷ 一眼レフカメラ(手動巻き)のフィルムの入れ方【写真で解説】
撮影方法
フィルムに書かれているISO感度に合わせます。軍艦部左側のASAを回すことで設定できます。
シャッタースピードはオートにしましょう。細かい設定もできませんので、このカメラでそれ以外を使うことはほとんどないかと思います。
あとは任意の絞りに合わせて、シャッターを切るだけ。
使い方はこれだけ。以上。
作例紹介
私の個体は露出計が壊れていたりシャッター幕の動きも悪くなっていたりと不具合は多いですが、少しだけ作例をご紹介します。
使用したフィルムは「業務用100」。現像はカメラのキタムラにお願いしました。
まとめ
絞り優先カメラということで現代のカメラと近い操作感で使うことができ、ほぼカメラ任せで撮ることができる手軽さはいいなと思いました。
ただやはりシャッタースピードはマニュアルモードもあってほしかった。
そんなにマニュアルモードがほしいなら、AE-1などの他シリーズを買えばいいと言われそうですが、露出計がダメになった時の保険として付けていてもよかったのでは?などと考えてしまいました。
とはいえ、1万円以内で買えるフィルムカメラ。もし見かけたときにはお気軽に一度試していただけたらと思います。
くれぐれも露出計の動作確認は忘れずに。
こんなフィルムカメラもあります
せっかくカメラを買ったのに故障してしまった、壊れていて何も写っていなかったなんてことになったら辛いですよね。
しかし、現在も新品で購入可能、故障もほとんどなし、操作も簡単、そんな夢のようなフィルムカメラがあるのです。
そのカメラというのが「写ルンです」です。
写ルンですを侮るなかれ。写ルンですには魅力がいっぱいなんです。詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。