【レビュー】手軽に楽しめる超広角レンズ「SAMYANG 14mm F2.8(サムヤン)」で星空撮影してきた【スペック・作例】

こんにちは、しゅんさんぽ(@shunsanpo)です。

これまでしゅんさんぽでは、標準レンズ標準ズーム望遠ズームなど、さまざまなEFレンズのレビューをしてきました。

そして今回ご紹介するのは、SAMYANG (サムヤン)から発売されている超広角レンズ「SAMYANG 14mm F2.8」です。

超広角レンズとは、人の目で見るよりもずっと広い範囲を写せてしまうレンズです。記事の後半では作例も多数掲載しています。そのあまりに広い画角に非日常を感じてしまうほどです。

ではさっそく、レビューをしていきます。

「SAMYANG(サムヤン)」とは

SAMYANG 14mm F2.8 外観

そもそも「SAMYANG(サムヤン)」とはなんでしょうか。あまり聞き慣れない言葉かと思います。

SAMYANG(サムヤン)とは、韓国のレンズメーカーです。

歴史は意外と古く、1972年創業です。近年日本でも正規輸入が開始され、破格のお値段でよく写るレンズとして徐々に知名度をあげています。

Canon用、Nikon用、SONY用、PENTAX用など、主要マウントの大半をカバーしているのも人気の要因だと思います。

「SAMYANG 14mm F2.8」のスペック

  • 定価:オープン価格
  • 発売日:不明
  • 焦点距離:14mm
  • レンズ構成:10群 14枚
  • 絞り羽根枚数:6枚
  • 最小絞り:22
  • 最短撮影距離:0.28m
  • 大きさ:φ87mm×96.1mm
  • 重量:約557g
  • フィルター使用:不可
  • フォーカス:MF(マニュアルフォーカス)のみ

やはり海外メーカーということもあり、情報が少なかったです。詳しい発売日はわかりませんでしたが、価格.comには2010年10月21日にこのレンズが登録されていました。ですので、大体そのあたりかと思います。

「SAMYANG 14mm F2.8」の特徴

人の目では見られない世界を切り取ることができる

このレンズの特徴は、まずなんと言っても「とにかく広く撮れること」です。

一般的に人の目に近い画角は50mmと言われていますが、このレンズの画角は14mm。これは「超広角」と呼ばれる部類で、人の目よりもはるかに広い範囲を写すことができるのです。

あまりに広い範囲が写るので、写したくない部分まで写ってしまうことも

広すぎる画角が仇になる場面もあります。

自宅のリビングを超広角で撮影すれば、足元に散らかった洗濯物や子供のおもちゃが写ってしまい、生活感満載の写真になってしまうこともあります。大自然の雄大な景色を超広角で撮影すれば、せっかくの絶景写真の中に、近くにいた他の観光客が写ってしまってゲンナリすることもあります。

思ってる以上に広く写るため、この画角に慣れるまでは周囲に注意することが必要です。

オートフォーカスはなく、マニュアルフォーカスのみ

今やどのレンズにも当然のごとく搭載されている機能「オートフォーカス」。

このレンズにはオートフォーカスが非搭載ですので、自分でピントを合わせる必要があります。いわゆるマニュアルフォーカスレンズです。

自分でピントを合わせるのが面倒くさい、サクッと簡単に撮れるレンズがいいという方にはあまり向いていないと言えるでしょう。

フィルター装着は不可

超広角レンズと言えば、前玉が大きく飛び出した形状、いわゆる出目金レンズが多いです。このレンズも出目金レンズです。

SAMYANG 14mm F2.8 出目金

そのため、通常のレンズ保護フィルターやNDフィルターは装着することができません。レンズキャップも専用のもの以外はつけることはできません。

SAMYANG 14mm F2.8 レンズキャップ

専用レンズキャップは付属しているので、使用していないときはレンズキャップをつけて前玉を保護してあげましょう。

とにかく安くてコスパ抜群

正直なところ、超広角レンズはそれほど使用頻度が高くない傾向にあります。先に紹介した通り、いらないものまで写ってしまうことが多いため扱いにくく、つけっぱなしにするようなレンズではないのです。

しかし、超広角レンズでしか撮れない世界もあるのも事実。できれば一つは持っておきたいところ。ただし前述した理由から、プロでない限りはそれほど高級なレンズを買う必要はないと思います。

その点「SAMYANG 14mm F2.8」であれば、新品でも約4万円で超広角の世界を体験できてしまいます。同じ焦点距離、画角のCanonの純正Lレンズ「EF14mm F2.8L Ⅱ USM」だと、新品で約22万円です。性能は違うにしても、5倍以上の金額差は大きすぎます。

趣味でやる範囲であれば、「SAMYANG 14mm F2.8」一択でいいと思います。

「SAMYANG 14mm F2.8」作例

ではここからは、このレンズで実際に撮影した写真を紹介していきます。

星空・天の川

超広角レンズで撮るものの代表格と言えば、“満天の星空”です。

星空撮影の基本としては、できるだけ広角レンズを使うこと、できるだけF値の明るいレンズを使うことがあげられます。そうすることで、星がくっきりと写り、しっかり星を点で写し撮ることができます。

14mmという超広角、F2.8という十分すぎる明るさを持つこのレンズは、星空撮影に適したレンズであると言えます。

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

星空撮影には超広角レンズは必須と言えるぐらい重要です。逆に言えば、超広角レンズがあればこのような写真を撮ることはそれほど難しくありません。

後日、星空撮影についても記事を書こうと思います。

その他(花・空・飛行機など)

超広角レンズで撮れるものは、星空だけではありません。それ以外のものをまとめて紹介していきます。

SAMYANG 14mm F2.8 作例

大きな橋に近付いて撮影すれば、奥行きが出るためスケール感の伝わる写真になります。

SAMYANG 14mm F2.8 作例

すぐ頭の上を通過する飛行機を撮りました。迫力が伝わります。

SAMYANG 14mm F2.8 作例

なんでもない金網ですが、こういうスナップ?的な使い方も可能です。

SAMYANG 14mm F2.8 作例

モデルにかなり接近して撮影していますが、モデルが小さく見えてしまうぐらい広範囲を写し取ります。

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

一般的に広角レンズはボケにくいと言われますが、F2.8という明るさもあり、被写体に近付いて撮影すればボケを作ることも可能です。

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

狭い空間で撮影しないといけない場合も、超広角レンズであれば収めることができます。

SAMYANG 14mm F2.8 作例

SAMYANG 14mm F2.8 作例

空を広く入れて撮影してみました。逆光にも言うほど弱くはない気がします。

まとめ

SAMYANG 14mm F2.8のいいところ

  • 超広角で表現の幅が広がる
  • F2.8の明るさは星空撮影にも最適
  • 新品でも約4万円とコスパ抜群
  • 軽い
  • さまざまなマウントが用意されている

SAMYANG 14mm F2.8のもうひとつなところ

  • 油断すると写したくない部分まで写ってしまう
  • オートフォーカス非搭載でピント合わせはマニュアルのみ
  • フィルターの取り付けは不可なので、レンズの取り扱いに気を遣う
  • 周辺減光はやや大きめ

星空専用レンズのつもりで購入しましたが、意外とさまざまな場面でも使えたのが嬉しい誤算でした。作例でもあげたように、狭い建物内や、空を大きく映して開放的な雰囲気の写真を撮りたいときにも使用しています。

とにかくコスパ抜群ですので、超広角レンズが気になっている人はぜひ一つ持っておくことをおすすめします。