こんにちは、しゅんさんぽ(@shunsanpo)です。
かつては生活の中に当たり前のようにあったフィルムカメラ。
しかしデジタルカメラ、スマートフォンの台頭もあり、街中でフィルムカメラを見る機会はずいぶんと減ってしまいました。「NATURA1600」や「Venus800」などロングセラー商品でさえ生き残れない時代となり、フィルム写真好きとしては非常に寂しい思いです。
instagramなどでフィルムカメラが再注目されブームが起きているのかと思っていましたが、やはり厳しい立場には変わりないようですね。
では、フィルムは選ぶほどの種類がないかと言われればまったくそんなことはありません。海外メーカーも合わせると、現在も数多くのフィルムが発売されています。
私が実際に使ってみたフィルムを作例たっぷりでご紹介していきたいと思います。
ただし、使用するカメラやレンズ、現像所によって仕上がりは変わってきます。あくまでも私が使ってみた感想ですので、その点だけご理解いただけますようお願いします。
目次
富士フイルム
業務用100【廃盤】
【2020年春頃 廃盤】
とくかく安くて、しかも写りは抜群。ノスタルジックな雰囲気で、フィルムらしさ全開です。
10本セット売りが基本ですが、カメラ屋さんによってはバラ売りしてるところもよく見かけます。比較的手に入れやすく、初心者の方にもおすすめしたいフィルムです。
しかし2020年の春頃、突然の生産終了となってしまいました。現在、富士フイルムから出ているISO100のフィルムには「フジカラー100」があります。
▷ 初心者にもおすすめ!「業務用100」は値段も写りも安心感抜群のネガフィルム【レビュー・作例】
FUJICOLOR C200【廃盤】
【廃盤(海外製品のため時期不明)】
海外からの逆輸入商品です。日本メーカーの商品が海外でのみ販売されているなんて不思議ですが、海外ではフィルムの需要があるということなのでしょうか。
写りは業務用100と同じように、ナチュラルで自然な雰囲気が特徴です。感度もISO200と少し明るめなので、快晴時以外では業務用100よりも使いやすいかもしれません。
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SUPERIA X-TRA400
【2018年3月に廃盤となりましたが、現在は海外パッケージ版?が購入可能です】
外でも室内でも使いやすいISO400。ニュートラルで落ち着いた色味で、特徴があまりないのが特徴です。卑下しているわけではなく、そのぐらい安定感があるスタンダードフィルムということです。
値段も安いため、これからフィルムカメラを始める人にはまずはこれをオススメしています。
▷ ネガフィルムに迷ったら「SUPERIA X-TRA400」がおすすめ【レビュー・作例】
SUPERIA PREMIUM400
上述した「X-TRA400」の廃盤が決まった時、代替品としてメーカーが推奨していたのがこちらのフィルムです。
ナチュラルで素直な写りはX-TRA400と同様で、逆に言えば「X-TRA400で十分かも…」と思ってしまうなんとも不遇なフィルムです。(個人的な感想です)
▷ 「SUPERIA PREMIUM 400」はクセのない素直な写りのネガフィルム【レビュー・作例】
PRO400H【廃盤】
【2021年3月 廃盤】
メーカーの公式サイトには「プロ用ネガフィルム」と記載されており、値段もやや高め。しかしそれだけの価値のあるフィルムだと思います。
個人的には富士フイルムで一番好きなフィルムで、透き通るような透明感のある色味が特徴です。
▷ 「FUJIFILM PRO400H」はナチュラル系フィルムの最高峰かもしれない【レビュー・作例多数】
Venus800【廃盤】
【2019年12月 廃盤】
フィルムの中では高感度に分類されるISO800フィルムです。夜間撮影はもちろん、F値の明るくないコンパクトフィルムカメラなどでもシャッタースピードを稼げるので相性が良いです。
富士フイルムらしいナチュラルな描写が特徴です。
▷ 「SUPERIA Venus800(ビーナス800)」は発色も描写も抜群の高感度ネガフィルム
Natura1600【廃盤】
【2018年3月 廃盤】
唯一無二のISO1600フィルム。2018年に惜しまれつつも廃盤となってしまいましたが、今も多くのファンに愛され復刻が望まれているフィルムの一つです。
特徴はなんといってもそのラチチュードの広さ。これ1本で日中も夜もカバーできてしまうため、撮影時には常に持っておきたいフィルムでした。
▷ 「NATURA1600(ナチュラ1600)」は夜だけじゃない!日中でも使える万能ネガフィルム
Kodak(コダック)
Ektar100
エクターの特徴は、世界最高の粒状性と発色の良さです。こってりとはまた違う色乗りの良さで、鮮やかではありますが少し大人っぽい品のようなものを感じます。
▷ 「Kodak Ektar100」レビュー。発色の良さと世界最高の粒状性が特徴のネガフィルム【作例あり】
PORTRA160
アメリカに本社を置くKodak(コダック)のロングセラー商品、PORTRA(ポートラ)シリーズ。
ポートラには、ISO160・ISO400・ISO800の3種類が展開されていますが、PORTRA160はその名の通りもっとも低感度なISO160のフィルムです。
淡く儚い雰囲気がこのフィルムの特徴で、青色の発色が良いと言われています。
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PORTRA400
さきほど紹介したポートラ三兄弟の中のちょうど真ん中、シチュエーションを選ばず常用しやすいISO400のフィルムです。
このフィルムの特徴は、彩度とコントラストの高さです。実際の見た目よりもややこってりした色が出ますが、作品としては面白い絵が撮れる気がします。また青色が個性的で、これがポートラらしさかなと思います。
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PORTRA800
さきほど紹介したポートラ三兄弟の中でもっとも高感度なのが、こちらの「PORTRA800(ポートラ800)」です。
ISO800なので少しノイズは見られますが、ほどよい粒子感でフィルムらしさも感じます。色味はPORTRA400よりもさらに彩度とコントラストが強めに出る印象です。
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ULTRAMAX400
青の発色に少々癖があるフィルム。いくつか現像所を変えて出してみましたが、違いはあったもののどれも青には一癖あるなと感じました。
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ProImage100
コダックらしい色乗りの良さが魅力のフィルム。かと言ってコテコテに色付けされているわけではなく、ナチュラルな雰囲気を残しつつ、しっかり色が出てほしいところに出てくれるイメージです。
粒状性も滑らかで、高騰を続けるフィルムのなかでは比較的コスパの良い商品です。
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GOLD200
コダックのネガフィルムというとPORTRAシリーズが人気ですが、このGOLD200もネットでも店舗でもよく見かける人気のフィルムです。
緑がやや強く出るのかなという印象ですが、派手すぎることもなく、比較的落ち着いた雰囲気です。
▷ 「Kodak GOLD200」は日常使いにピッタリの手頃なネガフィルム【レビュー・作例】
ColorPlus200
さきほどご紹介したGOLD200とよく似たフィルムに「ColorPlus200」があります。感度も同じISO200ですが、こちらはコダックジャパンからではなく輸入代理店が独自に仕入れて販売されているようです。
DXコードに刻まれているデータ自体はGOLD200とまったくの別物ですが、実際に現像してみるとかなり近しい仕上がりになるようです。そのため、もしかしたら製造国が違うだけで中身は一緒なのでは?などと噂されているフィルムです。
▷ ISO感度200の主流となるか?「ColorPlus200」は値段も色味も優しいフィルム【レビュー・作例】
Lomography(ロモグラフィー)
Lomography CN100
フィルムメーカーと言えば富士フイルムやKodakが有名ですが、Lomographyも忘れるわけにはいきません。富士フイルムのOEMだとか、いやいやKodakのOEMだとか言われていますが、真相はわかりません。
ただ個人的な感想としては、色乗りの良さなどの雰囲気はKodakに近いのかなと思います。繊細というよりは豪快なイメージです。
▷ 「Lomography CN100(ロモグラフィー)」は粒状感のあるどこか懐かしいネガフィルム【レビュー・作例】
Lomography CN400
比較的値段も安く、感度もISO400と使いやすいため、こちらも初心者におすすめのフィルムです。
安価でISO400のフィルムと言えば富士フイルム「SUPERIA400」が定番ではありますが、淡く爽やかなSUPERIA400に対し、こちらはこってり濃厚と個性はまったく違うと思います。
▷ 「lomography 400(ロモグラフィー400)」は古き良き味わいあるフィルム【レビュー・作例】
Lomography CN800
LomographyのCNシリーズでもっとも高感度なISO800のフィルムです。
2019年12月で富士フイルム「Venus800」が廃盤となるため、それ以降は比較的安価なISO800フィルムはこれ一択になるかと思います。
▷ 残された数少ない高感度ネガフィルム「Lomography CN800(ロモグラフィー)」レビュー【作例】
まとめ
結論を言うと、どれもそれぞれ味があって良い。
なんともズルい結論のようですが、どれだけ素晴らしい写真であっても100人中100人が好きと言う写真なんてないと思うんですよね。
結局のところフィルムも好みによる部分が大きいと思います。ですので、どれが人気とか定番とかはあまり考えず、作例などをたくさん調べて自分がいいなと思うものを使ってみるのが一番間違いない選択だと思います。
今回ご紹介したようにフィルムによって仕上がりはかなり変わってくるので、シチュエーションによって使い分けてみるのもフィルムの楽しみかと思います。
今後どうなっていくかわからないフィルム市場。様々なフィルムを楽しめる今のうちにフィルムライフを目一杯楽しみましょう!
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